「スゴい映画音楽ベスト20」に思うこと
先日テレビ朝日で「スゴいと思う映画音楽ベスト20」という番組が放送されていました。
ランキングには納得できるものも多く、楽しく視聴していたのですが、ふと気づいたのです。
あれ?邦画の映画音楽って、あまり語られない……?
ランキングに名を連ねた日本人は、坂本龍一さんと久石譲さんのみ。世界的に有名な方々とはいえ、それ以外の名前が浮かばない現状に少しモヤモヤしました。
邦画の中で「これぞ映画音楽!」と感じるものは?
洋画には、聴くだけでタイトルが思い浮かび名シーンがよみがえるような印象的な音楽が数多くあります。でも、邦画ではどうでしょうか?
真っ先に思い浮かんだのは、ドラマ『HERO』の「チャ、ラッ、チャ、ラッ……」というメロディー。でもこの作品は映画ではなくドラマ発。主題歌も宇多田ヒカルさんの楽曲なので、“映画音楽”とはちょっと違う気がします。
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そのほかに思い出すのは『踊る大捜査線』『相棒』『LIAR GAME』など、やはりドラマから映画化された作品が多く、本質的な“邦画オリジナルの映画音楽”がなかなか浮かんできません。
主題歌のある映画と、ない映画
邦画では主題歌がある作品が多く、テーマ曲がインストゥルメンタル(劇伴)のみという映画は意外と少ないかもしれません。
そんな中で思い出したのが、流行りそうで流行らなかった“インスパイアソング”という文化。
例えば『花束みたいな恋をした』では、主題歌ではなく、あくまでインスパイアソングとしてAwesome City Clubの『勿忘』が話題に。しかし映画本編ではインストのテーマ曲がエンドロールで流れ、どんな曲だったかはあまり記憶に残っていません。やっぱりCMで使われていた『勿忘』のほうが印象的なんですよね。
邦画に漂う“クラシック音楽”の気配
また、邦画における映画音楽の特徴として感じるのが「クラシック音楽の多用」です。
たとえば今話題の異色ホラー『8番出口』。
リズミカルで淡々とした雰囲気を持つラヴェルの「ボレロ」が、印象的に繰り返し使われています。無限ループ感を強調する演出にもぴったり。
また過去作を振り返ってみると、『バトル・ロワイアル』ではヴェルディの「レクイエム」が、アニメにはなりますが『新世紀エヴァンゲリオン』ではベートーヴェンの「第九」が象徴的に使われています。
これらの選曲は、どこか荘厳で、少し不穏なムードを醸し出し、“美しさと怖さ”が同居する邦画ならではの演出としても印象に残ります。
クラシックの力を借りて、観る人の記憶に深く残る──
これもまた、日本映画における音楽演出の面白さかもしれません。
実写版「亜人」の音楽体験
ちなみに私が個人的に印象に残っているのが、実写版『亜人』の劇中曲。アクションと音ハメのテンポ感が心地よく、観ていて高揚感がありました。
音楽を担当していたのは菅野祐悟さん。ドラマや映画の劇伴も多く手がける実力派です。主題歌はあったんだっけ……と調べてみたら、THE ORAL CIGARETTESでした。覚えてなくてごめんなさい……
そういえば……あの曲があった!
「やっぱり邦画には名作映画音楽がないのか……」と少しがっかりしかけていた時、母がひと言。
「『マルサの女』は?」
——そう、それだ!!
「タラララーララ、ラーラ……」という独特なあのメロディー。唯一無二の存在感を放ち、第11回日本アカデミー賞 最優秀音楽賞を受賞しています。
この音楽を手がけた本多俊之さんは、最近ではドラマ『新宿野戦病院』の音楽も担当。ジャズテイストで渋くてかっこいいサウンドが印象的です。
邦画ももっと“音楽”に注目を
もともと私は映画館でもエンドロールを最後まで観るタイプですが、これからは「音楽」にももっと注目していきたいと思いました。
邦画の魅力は、映像や演技だけでなく、音楽にもあるはず。
これからも、心に残る邦画の音楽を探し続けていきます。
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追記:忘れてはならない“あの名曲”
そしてもうひとつ、忘れてはいけない有名な日本映画音楽がありました。
それは――
『犬神家の一族』の「愛のバラード」です。
1976年に公開されたこの映画は、市川崑監督・金田一耕助シリーズの代表作でもあり、その劇中音楽「愛のバラード」は大野雄二さんによって手がけられました。
サウンドトラックも同年に発売されており、哀愁と妖しさをまとった旋律は、映画の世界観と見事にマッチしています。
現在でも「和製サスペンス×音楽」といえば、この曲を思い浮かべる人も多いかもしれませんね。


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